フロアコーティングも剥がれることがある!その原因と対策方法

傷つきやすいフローリングを保護してくれるフロアコーティングですが、塗料の選び方や手入れの仕方によっては剥がれてしまうことがあります。
条件にあわないコーティングを選んでしまったり、補修の仕方を間違えたりしてしまわないために、コーティングが剥がれる原因と対策法を紹介します。

フロアコーティングが剥がれる原因

フロアコーティングが剥がれてしまう代表的な原因を見ていきましょう。これからフロアコーティングをする予定の人も、すでにフロアコーティングが完了した人も、これらの原因に注意していきましょう。

1.施工不良による剥がれ

施工したばかりのフロアコーティングが剥がれる原因としては、まず施工不良が考えられます。起こりやすいトラブルは密着不良、つまりコーティング剤がフローリングにうまく密着しないことによるトラブルです。

密着不良が起こる主な原因としては

  • フローリングのコーティング前のクリーニングが不充分で汚れや異物、ワックスが残っていた
  • コーティング剤の密着力が足りなかった
  • フローリングの床材とコーティング剤の相性がよくなかった

これらが考えられます。

クリーニング不足はあきらかに施工業者のミスですし、コーティング剤の機能の問題はそのコーティング剤を選んだ業者の落ち度と言えるでしょう。またフローリングの床材に適したコーティング剤選び(床材とコーティング剤との相性確認)は、しっかりした業者であれば施工前までに必ず行ないます。
まとめると「密着不良は施工業者選びに失敗すると起こるトラブル」とも言えます。

また、厄介なことに密着不良は直しにくいものです。上からコーティングし直せばきれいに修繕できることもありますが、その前にいったん周囲のコーティングを剥がす必要があります。
「もし起きたらどう直すか」ではなく、起こらないことを前提に考えたほうがよいでしょう。

密着不良を避けるには?

依頼する側の私たちが密着不良を避けるためにできるのは、信頼できる業者を選んで依頼することです。施工実績が豊富な業者、フロアコーティングを専門に行う業者、また万一密着不良があれば施工をやり直すことを保証に含む業者を選びましょう。

密着不良の心配を抑えるコツとしては、「他業者の施工ミスでの剥がれを直せる業者」を選ぶことをおすすめします。他業者の剥がれを直せる技術と知識をもっているのであれば信頼できる腕前といえます。

2.禁止されている洗剤を使った

フローリングを水気や薬品から守ってくれるフロアコーティングですが、コーティングの種類によっては使えない洗剤もあります。家庭用洗剤や清掃用のアルコールが使えないフロアコーティングもあるので、あらかじめ注意が必要です。とくにアルコールの一種であるエタノールは、掃除用のスプレーなどに含まれているので、使う時には注意しましょう。

またエタノールは、フローリング掃除用のウェットシートの中にも含まれているので、こちらもうっかり使ってしまわないように注意してください。これらの掃除洗剤を使えるフロアコーティングもあるので、施工前塗装の性質をきちんと理解しておくことが大切です。

3.水がついた状態で放置した

洗剤などの薬品の他に、キッチン周りなどでこぼれた水が原因で剥がれてしまうこともあります。板材でできているフローリングは元から水気に弱いものです。そのため、あまり水気に強くないコーティングをしている場合、コーティングが剥がれてしまった上に、フローリングが腐ってしまう場合もあります。

水廻りの床は、水気を弾くコーティングを選んだり、コーティングに触れないようにシートを敷いたりするなどの対策を行なってください。

4.ペットのおしっこによる劣化

ペットを飼っていて、フローリングを爪の傷から守るため、あるいはペットが足を滑らせて怪我をしないためにフロアコーティングをしようと考えている方も多いことでしょう。しかし、気をつけなければいけないのは爪だけではありません。おしっこに含まれるアンモニアは、強い刺激を持つ成分です。そのため、ペットが粗相をしてしまうと耐性がないフロアコーティングの場合、塗装が剥がれてしまいます。

ペットを飼っているご家庭の場合、爪でついてしまう傷に強いことは当然として、水分や薬品にも強いコーティング方法を選ばなければいけません。

5.熱による劣化

フロアコーティングは床を覆ってくれるので、冬場の暖かな空気を逃しにくいこともメリットです。しかし、やはりコーティングの種類によっては、ホットカーペットなどの熱が原因で剥がれてしまうことがあります。

耐熱性が比較的低いフロアコーティングでホットカーペットを使用する場合は、必ず断熱性のシートを敷き、熱が床にこもらないようにしてください。またフロアコーティングを施工するときになるべく床暖房に対応と明記された熱に強いコーティングを選びましょう。

剥がれたときの修理の手順

原因がわかれば剥がれを予防することはできますが、すでに剥がれてしまった場合はどうやって修理すればよいのでしょうか。剥がれてしまったコーティングを修理するための方法を紹介します。

コーティングは剥がすことができる?

剥がれを直す前に知っておいて欲しいことが、コーティングを剥がせるかどうかということです。水性アクリルコーティングなど剥離剤を使えば剥がせるものもありますが、基本的にコーティングは剥離が不可能なものの方が多いです。重ね塗りや部分補修などメンテナンスはできますが、完全に剥がして別のコーティングをしたくなった場合は、フローリングから張替えることになります。

自分で修理はできる?

剥がれを修理したい時に、業者を呼ばずに自分で修理できないかと考える人もいることでしょう。一部のコーティングでは補修できることもあります。しかし、一度剥がれてしまったコーティングは、剥がれやすい状態になっているため、中途半端に修理してもまたすぐに剥がれてしまいます。さらに、ほとんどのコーティングは自分では修理することができません。

そのため、基本的にフロアコーティングの剥がれは業者の補修サービスに任せるべきです。業者によっては元の状態とまったく同じように復元してもらうこともできます。

保証が適用されるかどうかを確認

フロアコーティングの修理は、保証を利用して無料で行なってもらえる場合と、保証の範囲外のために修理費がかかる場合があります。密着不良が原因の剥がれはたいてい保証対象になっていますので、すぐに直してもらいましょう。後回しにしていたり、無理に自分で補修しようとすると、さらに剥がれてしまったり、劣化が進んでしまうので、早急に連絡することが大切です。

コーティング種類ごとの剥がれにくさ

コーティング種類ごとの剥がれにくさ

フロアコーティングは種類によって剥がれやすいものと剥がれにくいものがあり、耐用年数もまったく違っています。後悔しないために、コーティング方法の特徴を紹介します。

アクリルコーティング

アクリルコーティングは、アクリル製の塗料を使用するフロアコーティングです。フロアコーティングの中で、一番安く、30平米なら数万円程度で済むというメリットがあります。

ですが耐用年数が2~3年と短く剥がれやすいことも特徴で、何回もコーティングしなおすことが前提のコーティングです。定期的にワックスがけをするのが面倒で、それほど長く住む予定がない場合に向いています。

ウレタンコーティング

ウレタンコーティングは、ウレタン樹脂を使用するフロアコーティングです。耐用年数はアクリルコーティングよりは長く、5~10年程度とされています。施工価格は30平米で10万円前後が平均です。

メリットはアクリルコーティングよりも耐用年数が長いことで、デメリットは経年劣化が激しく、時間が経つと自然に剥がれやすいということです。また、塗装が完全に硬化するまでの時間が長いというデメリットもあります。

シリコンコーティング

シリコンコーティングは、シリコン塗料を使用しているフロアコーティングです。ウレタンよりも耐用年数が長く、10~20年ほど持ちます。価格は30平米で15万円程度が相場です。

シリコンでできているだけあり、水を弾き、滑りにくいというメリットがあります。デメリットはウレタンと同じく硬化に時間がかかることと、取り扱っている業者が少ないことです。ちなみに水やアルコールへの耐性はありますが、ペットのおしっこに対する耐性はないので注意が必要です。

ガラスコーティング

ガラスコーティングは、ケイ素を含んだ塗装を使用するコーティングです。「ガラスコーティング」という名前ですが、実際にガラスを使っているわけではありません。ケイ素を含んでいるため硬度が高く、薄いコーティングに仕上がり、傷に強いことがメリットです。そのかわりに、食器の付け込み洗いなどで使われている「塩素系洗剤」に弱いというデメリットがあります。

耐用年数は、20年程度です。しかしコーティングの中でも、開発されてから新しい塗装方法なので、実際の耐用年数に関する実績が少ないというデメリットもあります。

UVコーティング

UVコーティングは、紫外線の照射で硬化する特殊なコーティング剤を使ったフロアコーティングです。昔から工場などの床を守る業務用コーティングとして愛用されてきた方法で、今では技術の発展や機材の小型化によって家庭用のコーティングとしても人気になっています。
主な特徴は、すぐに密着するので剥がれにくい、洗剤やアルコールに強い、耐用年数も20年以上と素晴らしい耐久性を持っています。

総合的に見て、UVコーティングはもっとも剥がれにくく、耐久性が強いフロアコーティングだと言えるでしょう。他のコーティングと比べて光沢が強いという特徴もあります。ツヤのあるフロ―リングが好きな人なら問題ありませんが、マットな仕上がりが好みの方は、なるべく光沢がでない施工もできる業者を選ぶ必要があります。

フロアコーティングの種類を比較する>>

コーティングに失敗しないための準備

フロアコーティングで失敗しないためには、3つの準備が欠かせません。

1.保証期間と内容を確認する

フロアコーティングは一度施工した後は、一度塗装したら簡単には剥がせません。後悔しないためには、ただ安い業者ではなく、長期の保証を選びましょう。さらに契約時に気をつけるべきポイントは、保証期間の長さと、免責事項の2つです。

前者はともかく、後者は何のことかわからない方も多いことでしょう。実は保証の中には、普通に生活していてでてきた不具合でも無料で補修してくれない場合があるのです。免責事項をしっかり確認し、こうした意味のない保証ではないことを確認してから契約を進めましょう。

2.資料とサンプルを取り寄せる

実際のコーティング方法は業者によって様々なので、自宅にあったコーティングを選ぶためには実物を確認することが必要です。フロアコーティング業者から、コーティングを施したサンプルを送ってもらえるので、実際に取り寄せて試してみましょう。

確認するポイントとしては、引っ掻いても傷が付かないこと、水や薬品に強いこと、滑らないこと、健康に悪くないこと。これらの4つに注目しましょう。

3.依頼前にワックスをかけない

フロアコーティングをするためには、あらかじめワックスなどの不純物を剥がす必要があります。実はフロアコーティングの施工料金にはワックスを剥がす費用も含まれています。そのため最初からワックスをかけていなければ工程を省略できる分、料金がお得になることが多いのです。

新築の場合、自分ではワックスがけをしていなくてもサービスで付いてくることもあります。フロアコーティングを予定しているなら、そのことを建築業者に事前に伝え、ワックスをかけないようにと伝えてください。

剥がれにくいコーティングを選びましょう

フロアコーティングはフローリングの耐久性を高め、さらに住みやすい住宅にしてくれます。しかし、フローリングにあわないコーティングを選んでしまったり、質の低い業者に依頼してしまったりすると、その性能を最大限に発揮することができません。
フロアコーティングを依頼する時は、コーティングの特徴と業者の対応をしっかり見極めて選びましょう。

フロアコーティングの種類を比較する>>
フロアコーティング業者の比較ランキングはコチラ>>

  • 小さな子供がいても大丈夫!フローリングの汚れ・傷・滑り対策
  • フローリングの黒ずみの落とし方!汚れのタイプに合った掃除方法
よく読まれている人気記事