フローリングを長期間美しく保ち、掃除も楽になるフロアコーティング。その魅力から「うちもやってみよう」と調べていると、種類が多くどれがいいのか分からないという人もいるでしょう。
業者によっては、独自のコーティング剤を使っている場合もあるので、調べれば調べるほど目移りしてしまします。まずは主な種類の特徴を理解して、どのコーティングを選ぶべきか考えていきましょう。
1.UVコーティング
フロアコーティングでの中で、多くの方に支持されているのがUVコーティングです。
見た目の美しさ、耐久性、施工の早さ、など、他の種類に比べて優れた点を多くもつ施工方法です。透明度の高い樹脂皮膜を形成して、高級感のある仕上がりになるのでフローリング表面がより美しく見えることでしょう。ほかにはない唯一の特徴として光をあてることで硬化する特殊なコーティングを使い、スピーディな施工が可能です。
UVコーティングのメリット
メリット1.耐久性に優れる
摩擦、水分はもちろん、薬品にも強いので日常生活のダメージに最も強いコーティングとなっています。ペットの爪によるひっかき傷もつきにくく、子供がクレヨンやペンで落書きしても簡単に汚れを落とせます。
ほかのフロアコーティングが乾燥による硬化で施工するのに対し、紫外線による硬化のためムラなく協力に吸着します。そのため、比較的剥がれにくいこともメリットです。
メリット2.短時間で施工可能
名前の通り、UV(紫外線)で変化する樹脂を使って施工します。専用の機械で樹脂に光をあてると、瞬時に硬化していくので、ほかのフロアコーティングのように乾燥させる時間がかかりません。ムラなくしっかりと硬化するので、強固な樹脂膜が作られます。
即日入居もできるので、入居間近の方や、できるだけ早く施工を終わらせて欲しい方、また入居済みの住まいへの施工におすすめです。
メリット3.お掃除が楽
ワックスと違いフローリングは、コーティングの上に汚れが乗っている状態なので簡単に汚れを落とせます。特にUVコーティングは薬品耐性に優れるので、洗剤で溶けたり変色したりといった心配もほとんどいらないでしょう。お掃除の負担を長期的に軽減できるので、快適な環境を維持できます。
UVコーティングのデメリット
デメリット1.費用が高額
ほかのフロアコーティングと比べると、施工費用が高額になります。そのため引っ越し直後や新居購入直後のお金が必要な時期には、費用が大きなデメリットです。
ただし、長期耐久の実績があるので、長い目で見るとコストパフォーマンスは優れています。
デメリット2.技術によって仕上がりに差が出やすい
塗料・機材が高額なので、業者によっては十分に経験を積んだ担当者が少ない可能性があります。仕上がりは担当者の技量によって大きく差がでるので、慎重に業者を選んでください。豊富な実績を持つ業者であれば、比較的安心ですのでホームページなどで確認してみましょう。
コストパフォーマンス
UVコーティングの耐用年数は20年以上、相場は1平米あたり4,500~5,000円と言われています。ほかのフロアコーティングと比較して、施工費用が高いのが悩みになるでしょう。UVコーティングは長期的に美しさを保てる実績と、摩擦・薬品に強い耐久性に信頼がある施工法です。
安く仕上げても、早い段階からトラブルが発生しては意味がありません。UVコーティングは費用が高くなりますが、見た目・耐久性・信頼性に優れたフロアコーティングなので長い目で見るとコストパフォーマンスに優れます。
2.ガラスコーティング
ガラスコーティングの特徴は、仕上がりの光沢がほかのフロアコーティングと異なる点です。UVコーティングやシリコンコーティングの場合、ピカピカとした光沢のある仕上がりになりますが、ガラスコーティングの場合強い光沢はありません。施工前と後で見た目に大きな差がでないので、フローリングの質感や見た目を維持し、落ち着いた部屋にしたい方に最適です。
ただし、床材の種類によってツヤ感や仕上がりは違ってくるので、どのように仕上がるのか業者に確認しておきましょう。
ガラスコーティングのメリット
メリット1.傷に強い・目立たない
ガラスコーティングはコーティング剤の中で、最も固いコーティングになります。家具を運ぶ時の擦れや、日常生活の摩擦で削られる心配もほかのフロアコーティングよりは少ないといえるでしょう。低光沢な仕上がりになるので、もし傷がついても目立ちにくいことも特徴です。
メリット2.施工に特別な機材や技術がいらない
UVコーティングのように、専用の高価な機材を必要としません。比較的導入しやすいので、取扱っている業者も多く見かけます。そのため業者間での価格競争がおき、安価に仕上げてくれるケースもあるようです。ただし、安く悪い仕上がりにならないように信頼できる業者を見つけて依頼してください。
メリット3.紫外線に強い
キズや汚れを気にして見落としがちなのが、フローリングの日焼けです。フロアコーティングの中でも紫外線対策ができるものは珍しく、ガラスコーティングを選ぶ大きな理由にもあげられます。外的な摩擦はもちろん、紫外線からの劣化や変色にも強いことがガラスコーティングの魅力です。
ガラスコーティングのデメリット
デメリット1.耐用年数の信頼が低い
ガラスコーティングは比較的新しい施工法になります。そのため使われるようになってから、それほど年数が立っていません。業者ごとの基準で耐用年数や保証年数を提示していますが、証明するための実績が乏しい現状です。依頼する時はそのことを念頭に置き、業者に相談しましょう。
デメリット2.塩素系洗剤で溶ける
ガラスコーティングは塩素系の洗剤に弱く、溶けてしまう弱点を持っています。塩素系の洗剤で代表的なものは漂白剤やカビの除去剤などです。台所やトイレなど水回りに使う洗剤は塩素系の物をよく見かけます。そういった場所への施工は避けるか、こぼさないようにする注意が必要です。
コストパフォーマンス
ガラスコーティングの耐用年数は15年以上、相場は1平米あたり3,500~5,000円です。硬度が高く、劣化の心配も比較的少ないと言われていますが、先ほどご紹介したようにまだ歴史の浅いフロアコーティングです。万が一のため業者を選ぶ時は、施工技術だけでなくアフターサービスの内容についても確認しておきましょう。
3.シリコンコーティング
安く簡単に施工でき、仕上がりも良いことから昔に流行ったフロアコーティングです。ただし、耐用年数に問題があった為、現在では取り扱わない業者も見かけます。薬品への耐性も多少あるので、ペットを飼っている家庭では粗相をした場合のお手入れが楽になります。
シリコンコーティングのメリット
メリット1.安い
特別な機材を必要とせず、ほかのフロアコーティングと比べて安く施工できます。フローリングをきれいに保ちたいけど、あまりお金はかけたくない…。そういった悩みを持つ方にとっては最有力の選択肢となるでしょう。
メリット2.滑りにくい
施工後は滑りにくくなるので、転倒による怪我を防ぐのに役立ちます。これは高齢者や赤ん坊はもちろん、ペットを飼っている家でも好まれているメリットです。フローリングがツルツル滑ることによる脱臼や骨折は、飼い主さんの悩みのひとつです。ペットの健康を守るためにも、シリコンコーティングは使われています。
メリット3.見栄えを調整できる
仕上がりは、光沢とツヤのある美しい仕上がりになります。昔流行した理由は、この見栄えと費用の安さからでしょう。ツヤの強さを調整できるので、フローリングがピカピカになりすぎるのが嫌という方にも選ばれています。
シリコンコーティングのデメリット
デメリット1.施工に時間がかかる
施工、乾燥が終わるまでに2日程度かかります。即入居ができないので、早く新居に移りたいと考えてる人には向きません。シリコンコーティングを施工する場合は、施行日と引っ越しのタイミングを調整しておきましょう。
デメリット2.不具合が出やすい
ほかのフロアコーティングと比べ、摩擦や傷に弱いデメリットを持ちます。また、変色が起きることが多く補修も難しいため、取り扱わない業者増えてきました。居住年数が短く、安く抑えたいのであればこうしたデメリットも気にせず利用できるかも知れません。
コストパフォーマンス
耐久性は5~10年、相場は1平米あたり3,000円程度です。初期費用でみると、今回ご紹介した中では最も安価なフロアコーティングです。ただし、耐用年数には難があるので、長い目で見るとコストパフォーマンスは悪いといえます。業者に依頼する場合は、そういったデメリットを把握した上で相談しましょう。
おすすめはどれ?
ご紹介したメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。
メリット | デメリット | |
UV | 耐久性に優れる 短時間で施工可能 お掃除が楽 | 費用が高額 技術によって仕上がりに差が出やすい |
ガラス | 傷に強い・目立たない 施工に特別な機材や技術がいらない 紫外線に強い | 耐用年数の信頼が低い 塩素系洗剤で溶ける |
シリコン | 安い 滑りにくい 見栄えを調整できる | 施工に時間がかかる 不具合が出やすい |
フロアコーティングは何度もやり直すようなものではないので、不安なのは失敗ではないでしょうか。長期的に美しさを保てるという面で考えると、傷に強く薬品耐性にも優れる「UVコーティング」がおすすめです。
確かな技術を持った業者であれば、万が一施工中に髪の毛などのゴミが入り込んだとしても修復作業を行いきれいに仕上げてくれるでしょう。
シリコンコーティングの特徴である滑りにくさも、UVコーティングなら施工前より滑りにくくなります。総合的にみて最も優れた物を選びたいのなら、ぜひUVコーティングを検討して下さい。
特徴を確認して選ぶ
フロアコーティングは見た目の美しさを保ち、お掃除も簡単になる魅力があります。コーティングの種類によってメリット・デメリットがあるので、それぞれの特徴を理解して選ばなければなりません。
耐久性と信頼性で考えると、価格は高くなりますがUVコーティングが優れています。ただ、「高い」とは言っても、同じ住まい(同じ広さのフローリング)にUVと他のコーティングを施した場合のそれぞれ見積もりを出してもらうと、その差額は1~2万円に収まることがほとんどです。20年ほど長持ちするものの差額がそれだけでしたら、むしろお得な選択かもしれません。
予算やフローリングの状態によって、適したものは変わってきます。自分の希望を業者に伝え失敗しないフロアコーティングを選びましょう。
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