フロアコーティングには様々な種類があります。さらに、施工業者によっては定番のコーティング剤を独自に進化させたものを取り扱っていることもあり、その道のプロではない人にとってはそれぞれのメリットや違いがわかりにくいこともありますよね。
「どのフロアコーティング種類がいいのかわからない」とお悩みの方に、とくにおすすめのフロアコーティングである「UVフロアコーティング」の魅力を解説します!
フロアコーティングの種類
最初に、多くのフロアコーティング業者が取り扱っている四種類のフロアコーティングについておさらいしましょう。
・水性ウレタンコーティング
最も安価な部類のコーティングです。そのためマンション販売時にオプションとしてラインアップされることもあります。光沢は弱めで、耐久は5年前後です。
・シリコンコーティング
適度な光沢が出ることから人気のコーティングですが、耐久年数はあまり長くありません。また変色が早く、補修も難しいのがネックです。
・ガラスコーティング
強度のある薄膜で、キズがつきにくいのが特徴です。光沢具合も美しく、品のある仕上がりが期待できます。一方、塩素系の洗剤に弱く、掃除に使用したりこぼれた場合にはコーティング剤が溶けるという欠点があります。キッチン周りなどにはおすすめできません。
・UVコーティング
総合的な評価が最も高いのが、UVコーティングです。つやつやと高級感のある輝きが見た目に美しく、あらゆるダメージに強いという実用性も兼ねています。あえてデメリットを挙げるならば他のコーティングと比べれば費用がかかることくらいですが、質の高さや20年はもつという耐久性の高さを考えれば、割高なわけではなく、むしろコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
UVフロアコーティングとは
「UV」と聞いてよくみなさんが勘違いされるのは「日焼け止め効果」です。実はUVフロアコーティングの名前に入っているUVは紫外線をカットする、という意味ではなく、紫外線を照射することによって硬化させるコーティング剤、という意味です。しかし、全く日焼け止め効果がないかと言われればそんなことはありません。何もしないフローリングに比べればコーティングしたフローリングの方が遥かに色褪せにくいことは間違いありません。
ココが凄い!UVフロアコーティング
UVフロアコーティングは総合的に評価が高いと言われますが、改めて見てもメリットは盛り沢山です。よく知られているメリットの他に、実際に暮らしてみてわかった隠れたメリットも生の声として参考にしてください。
よく知られているメリット
部屋の印象が明るくなる
UVコーティングは元々車の塗装やピアノの鏡面仕上げなどに用いられていたものですので、つやつやとした強い光沢が特徴です。まるで我が家がショールームになったような、高級感ある雰囲気の中で毎日を過ごせるのは気分がいいことでしょう。プライバシーのためにあまりカーテンを開けないという家でも、電気の明かりが反射することで部屋を明るく見せてくれます。
掃除の手間がかからない
主婦にとって一番嬉しいのは楽に掃除ができる点です。フローリングの木材をしっかりコートしていますので、サッとひと拭きでホコリや髪の毛が取れるのはもちろん、水分や油分も染み込まないので、汚した瞬間に飛んできて急いで拭く必要がありません。
あまり知られていないメリット
施工時間(待ち時間)が短い
通常のフロアコーティングというのは塗ってから乾くまでに時間がかかるので、その日のうちには部屋に入れず、換気なども考えると2~3日は部屋を開けなければいけません。
間取りによっては家自体に入れず別の場所に宿を確保する必要も出てきます。その点UVコーティングはその日のうちに施工が完了するので、家を空けるのがイヤだという人にもぴったりです。
防滑性が高い
防滑性とは読んで字のごとく、滑りにくさのことです。UVコーティングはフロアコーティングの中でも最も光沢が強く、つるつるした見た目なので、「滑って転びやすいのでは?」と思われていますが、実際は滑りにくくできています。滑りにくいと言っても体育館を上履きで走った時のようなキュッという急ブレーキ感はなく、どちらかと言うと『重く滑る』というイメージです。
実はこの重く滑る感覚というのが歩くのにはもっとも適しているのです。部屋の中は大抵スリッパか靴下を履いて歩きますが、あまりにも滑る床だと無駄に踏ん張る力が働いて気づかないうちに足腰が疲れます。逆にグリップが効きすぎているとつまずきやすくなります。暮らしてみるまではなかなか実感しないことですが、毎日歩く床ですので歩き心地は重視した方がよいでしょう。
傷がついても部分的に補修できる
コーティングしていれば傷がつきにくいとはいえ、そもそものフローリングの材質が柔らかいと、重たい物や尖ったものを落とせば少なからず傷がつくことはあります。そんな時、何度でも部分的に補修できるのがUVコーティングの優れているところです。コーティング後何年か経過している部分と、補修したての部分は光沢の強さに若干の違いは出ますが、生活している間に徐々に馴染んでいきますのであまり気にする必要はありません。
ひんやり感が軽減される
冬のフローリングは靴下越しにも冷たく感じます。朝ベッドから起きて床に足を下ろしたときのあのひんやり感は、ちょっとしたことですがストレスだという人も少なくないでしょう。フローリングである以上仕方がないと諦めていた人もいるかと思いますが、フロアコーティングを施すことでほんのりと暖かさを感じられるようになります。とくにUVコーティングは他のコーティング剤よりも厚みがありますので、足元が冷えやすい女性の方にはとても好評です。
暖房の熱を保温する
冬場、暖房を入れると上半身は暑いぐらい暖まるのに、下半身はなかなか暖まらないという経験はあると思います。あれは暖かい空気が冷たい窓や床に当たって冷まされているためです。窓からの冷気をシャットアウトするフィルムを貼って対策をすることはよくありますが、同じように床もフロアコーティングすることで保温効果が高まります。寒い地域にお住まいの方は、毎年暖房をフル稼働させることを考えると20年保証のUVコーティングをしてしまった方がランニングコストはかからないでしょう。
こんなご家庭にとくにおすすめ!
他のコーティング剤と迷っているという人は、自分に合っているかどうか考えてみてください。UVコーティングをおすすめしたい人はこんな人です。
子供やお年寄りと暮らしている
子供は身長が低いため、大人よりずっと床に近い位置にいます。ハイハイで移動する幼児はさらに床に近いですし、小さな子供は何でも口に入れたり舐めたりするので心配ですよね。
ですが、UVコーティングの樹脂は有害物質やアレルゲン物質を含んでいませんので、健康被害を受ける心配はずっと小さくなります。
また、子供が元気よく走り回る年頃になっても、UVコーティングの適度な防滑性(滑りにくさ)で転倒の危険性を抑える効果を期待できます。足腰が弱り、転倒することがあるお年寄りにも安心です。
ペットを飼っている
口コミなどを見ると、ペットを飼っている人の満足度が非常に高いのが印象的です。犬や猫も人間と同じく滑る床は歩きにくいのでUVコーティングがおすすめです。また、爪で床が傷つく、知らないうちにペットシートの外に粗相をしてしまうなど、フローリングの木材が傷んでしまう状況は多々ありますが、コーティングを施していれば全てのトラブルに対応できます。一度木材に染み込んだ汚れや臭いは完全には落とせませんので、事前に対策をしておくとよいでしょう。
フローリングの色が明るめ
フローリングはブラウンやダークブラウンの他に、木の色をそのまま活かしたナチュラルカラーも存在します。もし、何もしないままのナチュラルカラーの木材に飲み物や調味料などをこぼしたら一巻の終わりです。臭いが染み込み、シミが残ってしまうでしょう。
UVコーティングを施せば食べこぼしや飲料なども木材に染み込むことはなく、さっとひと拭きするだけできれいに拭き取れます。また、ガラスコーティングなどのコーティング剤は塩素系洗剤で溶けてしまう問題があるのですが、UVコーティングは塩素系洗剤での消毒や大掃除でも溶けることはありません。見た目の色だけでなく、衛生面でも「きれいな状態」を保つことができます。
臭いに敏感な方がいる
すでにご説明した通りUVコーティングは即日乾燥が可能です。コーティング剤はどんな種類でも乾くまでの臭いが避けられませんが、乾燥が早いということは臭いが気になる期間も短く済むのです。しっかり換気を行えば2~3日で臭いは消え、シックハウス症候群の人でも気にならないという口コミも多く見られます。キツい臭いですぐに気分が悪くなってしまう人や頭痛持ちの人はUVコーティングを選んでみてはいかがでしょうか。
効果を最大限発揮するためには
ご紹介してきたように、デメリットはほぼないと言ってもいい優秀なUVコーティングですが、より美観を長持ちさせるには新築の入居前に施工することをおすすめします。
入居後1年も経てば当然細かな傷がついていますので、コーティング剤を綺麗に塗るためには補修が必須となります。コーティングというのは傷んだものを綺麗にするリフォームではなく、綺麗なものを綺麗なまま維持するための予防策です。マイホームの建築時には何かと物入りですが、長い目で見れば補修費用を節約できますので、是非先に済ませておきましょう。
さらに、施工後に窓にUVカットフィルムを貼ることも美観の維持に大きな役割を果たします。UVフロアコーティングは、紫外線を照射することで硬化していますので、さらに紫外線に当て続けることはコーティングの劣化に繋がる恐れがあります。施工後は、窓のUVカットもまとめて行なえば長期間美しい輝きを維持できます。
フロアコーティングは暮らしに輝きを与える
今回は数あるフロアコーティングの中からUVフロアコーティングのメリットをお伝えしました。
今やコーティング剤は種類も技術も豊富で、ワックス一択だった昔とは違って「選べる時代」になっています。それぞれの種類に一長一短がありますので目的や好みに合わせて選ぶことができますが、かえって「ありすぎて選べない」ということもあるでしょう。そういった人は、総合的に評価が高く、技術的にも歴史のあるUVコーティングを選べば安心です。
人を招いた時に「床がピカピカですね」と褒められるのはとても気分がいいものです。是非、この機会に思い切ってフロアコーティングをしてみてはいかがでしょうか。