元業者に聞いた!フロアコーティングとワックスの違い

元来、疑問に思ったことを解決しないと、1万円を超えるサービスは受けないと決めているこの私。 フロアコーティング業者について、もっと深く徹底的に調査してから導入せねば!と考えていました。 そこで、元フロアコーティング業者の方に、フロアコーティングの実態について聞こうと考えたのです。 友人の友人をたどっていき、元フロアコーティング業者の方に、ついにお会いすることに成功! 元フロアコーティング業者の方に、フロアコーティングの実態についてお伺いした結果を皆様にお伝えいたします。 今回は、ワックスとフロアコーティングの違いについてです。

――ワックスとフロアコーティングはどのような違いがあるのでしょうか?

フロアコーティングもワックスも、コーティング材の中に樹脂が入っていて、その溶剤が溶けて固まり、床を守ってくれるという広義の意味では同じです。大きな違いは、フロアコーティングは一度施工すれば剥がれず、ワックスは塗っても一定期間で剥がれてしまうということですね。フロアコーティングの中でも一般的なUVコーティングは特殊な機械を用いて、その機械によって起こされる化学反応で固まって、膜を形成します。固まった後は密着性が高いので剥がれずに、長期間フローリングを守ってくれます。エコプロコートさんで確認できているところでいうと、15年たっても問題なかったとのことでした。一方ワックスは、乾燥させることで固まりますが、その効果は長く持ったとしても3カ月か半年ほどです。 しかもワックスは、効果が持続せずに剥がれてしまう上に、フローリングの美しさを保つことが難しいのです。家を購入したらワックスをかけたほうがいいといわれていますが、5年、10年という長いスパンで考えると、ちょっと同意ができかねますね。

――家を購入したらワックスをかけるべきだと考えていました……。なぜかけるべきではないのでしょうか?

  リビングの家の模型ワックスは、乾燥させることでフローリングをコーティングします。この乾燥に問題があるのです。ワックスはフローリングを守ってはくれますが、時間が経過し、酸化すると黒ずんでいってしまいます。3カ月か半年程度たったら、またワックスをかけますよね。そのときすでに、以前かけたワックスが酸化して黒ずんで残ってしまっている状態なのです。その上からまたワックスをかけてしまうことで、さらに汚れてしまうことになるんですよ。

――なるほど。それならば、一度すべて剥がしてから、もう一度ワックスを行えばよいのでしょうか?

  確かに、ワックスの剥離剤は市販で売っているので、そのような対応をすることもできます。ですが、素人の方がワックスの剥離を行うのは、非常に難しいんです。剥離剤と水を混ぜて剥離に使うのですが、水は放置せずに早くバキュームを使って除去しなくてはいけない。そもそも一般家庭にバキュームはないですしね。結果、あまり綺麗な状態を保つことができない場合がほとんどですね。だから長期的にフローリングを綺麗に保つことを考えるとどうなのかなと思う部分はありますね。

――ワックスを使うべき場面ってあるんですか?

ワックスのイラスト  ワックスは、例えばむくの木をフローリングに使用していて、表面をコーティングしてしまうのが嫌、など、木材にこだわりがあって、経年変化を楽しみたいという方にはおすすめですね。あとは、一部の摩耗が激しくなってしまうような場所にはフロアコーティングではなく、ワックスがよいですね。例えば、体育館や店舗の床などです。かなり激しく一部のみ摩耗してしまうなどがあると、フロアコーティングの場合、密着性が高すぎて剥がせないので修復ができない可能性があるんですよ。なので、確実に一部の摩耗が激しくなってしまうような場所には、ワックスがよいんです。 一般家庭での摩耗程度なら問題ないので、家の中で綺麗なフローリングを保ちたいという方には、フロアコーティングするのがおすすめです。フロアコーティングの中にも種類があるのですが、UVコーティングかガラスコーティングが一般家庭向けですね。長い目で見ると、かかる時間を考えても費用を考えても、ワックスよりフロアコーティングをしてしまうのがよいと思いますよ。  

――ワックス不要のフローリングを使っている、という家でも、ワックスやフロアコーティングはしたほうがよいのでしょうか?

ワックスすることは可能ですが、できればフロアコーティングしてしまったほうがよいと思いますよ。   そういった、ワックス不要の床をシートフローリングといいます。シートフローリングは、印刷会社が木目を紙に印刷したシートを貼り付けているもので、5年から6年ほど前から、マンションのフローリングによく使われています。頑丈で、表面的な細かい傷に対しては強度があってよいものです。ですが、シートであるため、どうしてもめくれて剥がれていってしまうんです。専用のワックスも販売されているので、ワックスをかけることもできますが、ワックスをかけるよりもフロアコーティングしたほうがいいですね。フロアコーティングすることで固まって、シートがめくれて剥がれるのを防止することができます。   また、ワックスフリーのフローリングも、ワックス不要のフローリングです。ワックスフリーは、比較的傷がつきにくく、高性能なフローリングです。本来、床にはワックスをかけるのが前提という考えがありますが、ワックスフリーの場合は、「もしワックスをかけなかった場合でも比較的持つ」のが特徴ですね。かけなくてもよいというだけなので、シートフローリングと同じく専用のワックスでワックスをかけることはできますよ。もちろん、フロアコーティングをすることでさらによい状態を保てるようになります。

――逆に、ワックスをかけてはいけない、という家はあるのでしょうか?

水のイメージ ありますね。その場合は、「ワックス不要」ではなく、明確に「ワックス禁止」になります。めったにありませんが、水分に極端に弱いフローリングの家だとワックス禁止ですね。

まとめ

フロアコーティングとワックスの違いについてでした。フロアコーティングとワックスの違いを理解して、フロアコーティングをすることを検討したほうがよさそうですね。 個人的にショックだったのは、ワックスを使うと逆に床が汚くなってしまうことでした……。もうワックスやめよう…… 以下、今回のポイントをまとめました。

 

・フロアコーティング(UVコーティング/ガラスコーティング)は、密着性が高く剥がれにくいので一般家庭向け。密着性が高すぎるため、修復が難しい可能性があるので一部のフローリングの摩耗が激しくなるような所にはあまり向いていない。一般家庭での摩耗程度ならば問題なし。

 

・ワックスは、一部のフローリングの摩耗が激しくなるような体育館や店舗など向け。自然乾燥の酸化によって黒ずんでしまう。剥離を行うことができるが、一般人にはかなり難しい。剥離をせずに重ねて塗ると、さらに汚くなってしまうので注意が必要。

 

・一般家庭でワックス不要のシートフローリングやワックスフリーのフローリングでも、ワックスやフロアコーティングは有効。長期的に美しく保ちたいならばフロアコーティングをしたほうがよい。

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